物忘れからの認知症の話

  • 2017.03.19 Sunday
  • 16:23

職場にて。

あ、アレ買わなきゃ!と思っていたものを、
すでに先日買ったのを忘れ、再び買おうとした店長の嘆き。



買ったことを忘れて、買わなきゃ!と思っていた自分にショックを受け、
「俺やばい…」と凹んでいたので、

「私は先日、お茶を淹れようと思ってやかんに水を入れて火にかけたんです。
お湯が沸くまでの間にちょっと他の用事を済ませているうちに、
しまった!
火を止めるの忘れてた!
ってコンロを見たら、火は止まっていたんです。
そして、
そばにはお茶が淹れてあったんです。
さっき自分で火を止めてお茶を淹れたのに、忘れてやかんの火の心配してました」

と教えてあげました。

いや、それやばいから…と心配されました。笑


そして店長は、
「こういうのがエスカレートしていったのが認知症なわけでしょ。
やばいよね…
そうなりたくねぇなぁ…」
と嘆いてました。



認知症は確かに私も、何よりもなりたくないものだと思ってました。
大事なことも忘れてしまうなんて。

でも、今日たまたまいた元バイトくんから
「お茶淹れたのになんでやかんの火になるんスかね?」ときかれ、

「火を止めてお茶を淹れた部分だけを忘れたから、火を止める前の過去に遡ったんだろうね」と私は答えてました。
が、

言ってから、なんか今わたしスゴいこと言った気がすると思って。

認知症って、認知症になるまでが不安で不安でとても怖いかもしれないけど、
認知症になりきってしまえば、もう怖くないのでは?
だって忘れてますもんね。

しかし決して大事な人を忘れたわけではなく、
認知症というのは、頭の中で時間旅行をしているのだと読んだことがあります。

子供の頃に遡っていたり、ある出来事の真っ只中にいたり。
記憶の旅なんですね。

これまでの自分の人生の出来事を振り返るかのように、頭の中で当時の自分に戻って、当時の気持ちを再び味わっている。

だから周りはワケわかんなくて「何言ってるの!?」ってパニックになっちゃいますが、
当のご本人は意外と充実してたりして?と。


すでにお茶を淹れ終えたはずの私が、なんの疑いもなく、やかんの火をかけている時の私に遡っていた。
これは頭の中での時間旅行ですよね。

確かに、現実に戻ったときに、忘れていた自分にショックを受ける。
でも、時間旅行によるただの時差みたいなものなのかもしれない。

私も認知症をずっと怖いと思ってました。
それだけはなりたくないと思ってました。

でも、なってみちゃったら実は楽しいのかもしれない?と気が楽になりました。

幸せな出来事、
怖かった出来事、
悲しかった出来事、
後悔している瞬間、
嬉しくてたまらない瞬間…
それらを人生の終盤で振り返って追体験できる。

人間にはそんな能力がある、と気付く前に、誰かが誤解して認知症という名前をつけたのかもしれません。
なんて。


でも大変なのは、周りの人達なんですよね。
私にも、認知症ではないですが、コミュニケーションが普通にできない叔父がいるので、わずかでしょうが大変さが想像できます。

本当の大変さは、味わっていないのでわかりません。

ただ、

認知症には真っ向勝負をしないほうがいいのはわかります。

食後なのに「ご飯まだ?」ときかれても、
「さっき食べたでしょ!?」とかはタブーですね。

「ご飯を食べさせてくれない!」と相手を怒らせたり悲しませたりして、よけい色々悪化します。

望ましい返答は十人十色でしょうけど、
食べたばかりなのに「ご飯まだ?」が来たら、
その人は頭の中で食べる前へ遡っているわけですから、
「待たせてごめんごめん♪いま作ってるから、もう少し待っててくれる?」とか言ってみるのはどうでしょうね。

その会話はきっと忘れていきます。
実際に食べる食べないではないんですね。

どれだけ相手を安心させてあげられる言葉を言えるかどうか、
結局やはり、どれだけ相手の気持ちを汲むことができるかどうか、なわけですね。

正しい事実よりも気持ちを汲む言葉。
まさに今の私の目標です。


えーと、だから認知症というのは、
ご本人は悠々自適に過去へ時間旅行をしつつ、
周りにいる人達の精神力を鍛えて成長を促すものだと思うんです。

もし実際に私が、認知症の人を介護することになった時には、同じことを言えないかもしれません。
でも今は言えるので言っときます。笑

だから、ただ、そんなに怖いことじゃないんだと思うんです。
だから、たぶん心配しなくて大丈夫ですよ、って店長に言っとこう。



私がこう思うところへ辿り着いたのは、
「この物忘れがエスカレートしたのが認知症」という店長の言葉と、
「なんでお茶を淹れたのにヤカンの火?」というバイトくんの疑問と、
「母は時間旅行をしている」という介護体験記に会ったから。

まさに縁によって気付く。
縁によって学ぶ。
点と点が繋がって線になり、更に面になっていくとき。
いや〜スゴいなぁ面白いと本当に思います。

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